この記事はバリ島移住を簡単に考えている移住希望者に、実際の移住生活の厳しさを紹介する記事です。
バリ島は物価も安いし、南国でのんびりしているから、生活も楽そう。
このような考えでバリ島移住をされる方もいます。
しかし、実際のバリ島移住生活は厳しいことも多く、甘い考えではすぐに生活が破綻します。
どうしてバリ島の移住生活はそんなに楽ではないのでしょうか?
今回は、バリ島に長年滞在している筆者の経験から、バリ島移住生活の厳しい面を紹介していきます。
この記事を読んでいただければ、バリ島の生活は思ったより楽じゃないということが理解していただけるでしょう。
バリ島に移住したら、楽に人生を送ることができる。
このように考えている人は、今回の記事をしっかりと読んで、考えてください。
そうしないと、せっかくバリ島に移住したけど、日本にいた方が全然よかった、なんてことになります。
この記事を読んでもなお、バリ島に移住したい、バリ島で頑張りたいと思うのなら、その気持ちを持ち続けて、バリ島で頑張ってください。
しっかりとしたモチベーションがあれば、多少の苦労も乗り越えられますよ。
目次
バリ島の仕事は楽じゃない
バリ島はのんびりしている人が多いから、仕事も簡単じゃないか?
日本のように、残業やパワハラなどなく、気楽に働けるのではない?
こんな考えでは、バリ島での仕事は満足にこなせません
日系企業は日本と同じ
バリ島には日本人経営の会社(日系企業)が沢山あります。
日系企業なら、日本語も通じるし、バリ島だから緩いんじゃないか?
とんでもない話です。
日系企業は日本の会社と同じです。
残業もあれば、休日出勤もあります。
仕事に対する姿勢も日本と変わりません。
さらに、バリ島の会社は日本でいう中小企業ばかりです。
大企業のように、労働環境や福利厚生が整っているわけではありません。
バリ島の会社だから、仕事はカンタンで緩い。
こんな考えは捨ててください。
外資会社はさらにシビア
日系企業ではなく、現地の会社や外資会社なら、気楽に働けるのでは?
このように考えている方もいるでしょう。
確かに、勤務時間や規則など、日系企業より自由なところがあります。
しかし、それは要求されている成績をしっかりと納めているという事が大前提です。
外資企業は成績に関してとてもシビアです。
目標の成績があげられなければ、すぐに契約が切られてしまいます。
成績の未達により契約切れという話、よく聞きます。
外資企業よりある意味日系企業の方が緩いという面もあるんですよ。
趣味と仕事の両立、ありえない
バリ島に来たら、趣味を楽しみながら働ける。
こんな話は幻です。
もちろん、休日や勤務時間外に趣味を楽しむことはできます。
しかし、それは日本でも同じ。
ちゃんと業務をこなしたうえでの趣味です。
趣味を優先させたいのなら、仕事はせずに趣味に打ち込むべきなのです。
生活レベルは日本より低い
バリ島の方が物価は安いから、日本より良い生活ができるんじゃないかな?
これも、甘い幻想です。
確かにバリ島の方が生活費は安いですが、その代わり生活レベルも低いです。
日本と同じ生活をするには日本よりお金がかかる
食事の事を考えてみましょう。
食材は確かに日本より安いです。
しかし、日本で普通に手に入っていた食材や調味料はとても高価です。
日本食レストランも日本より高いのです。
住宅もそうです。
確かに日本より安い金額でアパートや一軒家が借りれます。
しかし、日本のようにしっかりした家はありません。
耐震構造なんてものは無く、隙間風やほこりも多く、虫も沢山入ってきます。
日本レベルの家なんて言ったら、とんでもない値段になります
このように、バリ島で日本と同じようなレベルの生活をしようとしたら、日本以上にお金がかかります。
そうなると、生活レベルは日本より下げなくてはいけません。
収入は減って貯金もできない
バリ島の物価は日本より安いです。
だから、生活も楽になるというのは、日本並みの収入があればこその話です。
バリ島では物価も安いが収入も低いです。
日本人で月給は65,000円くらい
先日、2022年のインドネシアでの最低賃金が発表されました。
地区ごとに違いがありますが、バリ州では月給3万円程度です。
ただしこれはインドネシア人の最低賃金で、外国人労働者の最低賃金の決まりはないそうです。
日本人の給料は地区や業種などによってかなり違いがあります。
それでも求人広告などを見てみると、クタやスミニャックエリアでは月給65,000円くらいでした。
ウブドエリアはもう少し低いと思います。
その月給で生活できるのか?
月給65,000円で生活できるかどうか?
ここから税金(所得税)や保険代などをひかれたら手取りは60,000円くらいでしょうか?
家の家賃が15,000円
食費が30,000円
携帯の通話料、ガソリン代、遊びに行くお金などをひいたら、ほとんど手元には残らないのではないでしょうか?
何とか生活はできますが、貯金はできないでしょう。
日本への一時帰国のお金
病気や怪我をしたときの治療費
日本から友人が来た時、一緒に遊ぶお金
どうしましょう?
稼ぐのならジャカルタ
先日、ジャカルタの友人に給料事情を聴きました。
ジャカルタでは日本人の最低賃金の取り決めがあり、約130,000円だそうです。
ただこれは最低賃金で、実際は150,000円以上はもらっているそうです。
これは現地採用の社員で、日本からの駐在さんはこの何倍もの給料をもらっていますよ。
もちろん、ジャカルタは大都会なので、物価も高いですし、なにより仕事は日本以上にハードだそうです。
ジャカルタの方のツイッターなど見ていると、大変だなぁと思いますよ。
極上の生活をしている人はお金持ち
以前、テレビでバリ島で極上の生活をしている方の話を見ました。
プール付きの大きな家に住み、お手伝いさんがいて、よく日本食レストランに行き、子供はインターナショナルスクール。
すごい生活でした。
その方は、旦那さんがインドネシア人でいくつも工場を持っていて、ご自身もアクセサリーのお店を経営していました。
年収が400万円だそうです。
日本のレベルなら、年収400万円はそれほど珍しい話ではありません。
しかし、月給が6万円程度のバリ島で400万円の収入って、6年分の年収ですよね。
つまりバリ島で贅沢な生活をしたければ、日本以上に働かなくてはならないんですね。
起業のハードルはますます高くなっている
少しの資金でバリ島に小さなお店を出して、その収入でつつましく自由に生活する
こんな話ができたのも10年、20年前のことで、今はとてもこんな夢物語はできません。
外国人の企業には多額の資金が必要
何度もこのブログで書かせていただきましたが、外国人が会社を興すには最低でも8,000万円の資本金が必要です。
現金(口座預金)だけでも2,000万円必要といわれています。。
さらに、お店の家賃など出店するための経費もうなぎ上りに上がっています。
バリ島の場合、家賃はほとんどが数年単位の支払いになります。
観光客の多い表通りになると、家賃の支払いだけで数百万円に上ります。
もう個人で用意できるような金額ではないですね
大企業の進出
日本独自のラーメン屋や焼き鳥屋、居酒屋
日本食ブームの今、このようなお店が増えています。
きっとバリ島でも出店すればそこそこの収入は期待できるかもしれません。
しかし、最近は大企業チェーン店の出店が増えています。
日本で成功した日本食レストランがジャカルタなどを経由してバリ島に進出しているのです。
大手チェーン店が進出してきたら個人でのお店はひとたまりもないでしょう。
リタイアメント移住、資金が大切
バリ島移住、仕事をするにも企業をするにも大変です。
でも、まだ仕事をしている人はましだと思います。
大変でも収入がありますからね。
それより大変なのは、リタイアメント移住の人たちです。
リタイアメント移住は年金と貯金たより
リタイアメントビザで移住した場合、インドネシア国内での就労はできません。
簡単に言うと、収入はゼロです。
日本からの年金と貯金で生活している人がほとんど。
しかし、問題なのは諸物価の値上がり。
2021年の統計ではインドネシアは5.42%のインフレ率だそうです。
しかし実生活では、ガソリン、電機料金、ガス料金の値上げがひどく、もっと物価は上がっているように感じます。
このように、バリ島の物価は年々上昇しているので、最初計画した資金では生活ができなくなるということもあるんです。
リタイアメント生活年間250万円は必要
リタイアメント移住での必要経費をざっくりと計算してみました。
食費、生活費、家賃、ビザ代、医療保険、日本への一時帰国などを考えると、年間250万円は必要と思われます。
もちろん、食費や一時帰国費用などを節約したり、家賃も安いところを探せばもっと低い資金で生活はできると思います。
でも、このくらいの費用は考えておかないと、移住生活は厳しいでしょう。
特に、医療保険に関しては60歳を過ぎると保険料も上がり、さらに75歳以上は加入できる保険もなくなります。
国民健康保険のBPJSもリタイアメントの方は加入できません。
金の切れ目が・・・なんて言葉もありますが、特に収入がないリタイアメントの方は資金計画をしっかりと考えなくてはかなり厳しい生活になるでしょう。
それでもバリ島が好きだから移住する
ネガティブな話ばかり書いてしまいましたが、それでもバリ島に移住する人はいます。
事実私ももう移住生活が10年を超えています。
なぜ、生活は楽にならないのにバリ島に移住するのでしょうか?
それはバリ島が好きだからです。
バリ島で生活するのが好きだからです。
だから生活が苦しくなってもバリ島で生きているんです。
ただ、生活が楽そうだから、簡単に生きていけそうだからといった考えでバリ島移住を決めたら100%失敗します。
なぜバリ島に住みたいのか、その理由をしっかりと考えてモチベーションを上げてください。
以上「バリ島に移住したら生活が楽になるなんて思っていませんか?」でした
今回の内容を動画にまとめてありますので、こちらもご覧ください