この記事は日本など海外からスマホ、携帯といった通信機器をインドネシアに持ち込むためのIMEI登録方法と持ち込み時に支払う関税の金額について紹介したものです。
バリ島・インドネシアでは日本など海外からスマホ、携帯といったモバイル通信機器を持ち込み使用する場合、IMEI登録と持ち込み関税の支払いが義務化されています。
この手続きをしないと、インドネシア国内でスマホの使用ができなくなります。
ただし旅行客の様な短期滞在者はIMEI登録と持ち込み関税支払いは必要ありません。
この記事では、IMEI登録の方法や支払う関税の金額、そして手続きをしなかった場合の対応策についてご紹介しています。
この記事を読んで頂くと、インドネシア国内に長期滞在、移住される方が日本からスマホなどを持ち込む際の正しい手続きなどを知ることができます。
正しく手続きを行えば、滞在中自由にスマホや携帯を使う事ができ、また支払うべき関税額も安くすることが可能。
記事を読んで正しいIMEI登録と関税支払いを行いましょう!
日本からのスマホ持ち込み以外にも現地での購入方法やSIMカード契約方法などバリ島でスマホ、携帯を使う方法について以下の記事でまとめて紹介しております。
バリ島でスマホ、携帯を使う方法
目次
IMEI登録と持ち込み関税とは
海外からスマホなどを持ち込むときに行うIMEI登録と、持ち込み関税について解説します。
持ち込み関税とは
本来、海外から品物を持ち込む場合は、私用、業務用、販売用のいかんにかかわらず、持ち込み関税(輸入関税)を支払わなくてはいけません。
ただし、個人使用目的の場合、一定額の免税措置が取られており、スマホ、携帯は1人当たり$500以下であれば関税の支払いはありません。
しかし、販売目的にもかかわらず、正規の関税を支払わない密輸・脱税業者が後を絶ちません。
そのため、インドネシアは密輸・脱税対策のためにIMEI登録制度を行っています。
IMEI登録制度とは
IMEIとは、スマホ、携帯などモバイル通信機器一台一台に付けられた固体番号。
この番号は世界基準で世界に一つだけの番号です。
インドネシアにモバイル通信機器を持ち込む場合、事前にインドネシア通産省のサイトを通じてこのIMEI番号を登録。
そして、税関にて所定の関税を支払えば、登録したIMEI番号の通信機器はインドネシア国内て通信や通話が可能となります。
IMEI登録と関税支払いを済ませていないスマホ、携帯などのモバイル通信機器はインドネシア国内では通話やデータ通信ができません。
旅行者は手続き不要
旅行者など短期滞在者は、このIMEI登録と関税支払いは不要です。
SIMカードを購入する際、お店の方が簡単な設定をすれば、IMEI登録、関税支払いをしていなくても、通話、通信が可能になります。
ただしこの場合有効期限は90日間。
90日たったら、通話、通信はできなくなります。
また、ローミングサービスや海外SIM、Wifi利用など、インドネシアの現地SIMを使わない場合も、IMEI登録と関税支払いの必要はありません。
90日間以上現地SIMを使う場合のみ、IMEI登録と関税支払いが必要となるのです。
IMEI登録の方法
それでは、まずIMEI登録の方法を紹介します。
このIMEI登録は、インドネシア行きの飛行機に搭乗する前に済ませておくことをおススメします。
IMEIの調べ方
IMEI番号は製品の保証書などにも記載されていますが、本体からも調べることができます。
通常IMEI番号は1台の機器に一つですが、SIMが2枚入るスマホがあり、その機器にはIMEI番号が2つあります。
IMEI番号が2つあったら、どちらも必要ですので、控えておいてください。
Androidの場合
「設定」>「ディバイスについて」>「その他の情報」で、IMEI番号を調べることができます。
ただし、機種によっては操作方法が若干違いますので、各機種の説明書などで確認してください。
iPhoneの場合
iPhoneの場合は、「設定」>「一般」>「情報」でIMEI番号が確認できます。
以下のAppleサイトに詳しく載っていますので、iPhoneユーザーの方はご確認ください。
iPhoneのIMEI番号の調べ方|Apple公式サイト
IMEI登録されているか確認
IMEI番号がわかったら、以下のサイトにアクセスして、自分のIMEI番号が登録されているか確認しましょう。
IMEI確認サイト
過去にバリ島で使用したことがあるスマホ、携帯は自動でIMEI登録されている事があります。
既にIMEI登録がされていたら、IMEI登録と関税の支払いは不要です。
IMEI登録されていると以下のように「Data IMEI TelDatabase Kemenkominfo」という表示が出ます。
IMEI登録
IMEI登録がされていなければ以下のサイトにアクセスしてIMEI番号を登録します。
IMEI登録サイト
スマホや携帯は一度に一人2台まで持ち込むことができますので、こちらのサイトでは2台まで登録ができます。
1台しか持ち込まない方は、「Divice2」の項目は入力不要です。
⑦のNPWPですが、納税者番号の事です。バリ島で納税をしたことがある方ならNPWP番号があるはずです。
リタイアメントビザなどで滞在されている方でNPWP番号がない方は入力しないで結構です。
本体価格については、日本円でも米ドルでもインドネシアルピアでも入力可能です。
⑯の本体価格の通貨単位で、選択してください。
サイトへの入力が完了すると、以下のようなQRコードが表示されます。
QRコードの部分をスクショ(スクリーンショット)を取って保管しておいてください。
また、以下のような確認メールが登録したメールアドレスに届きます。
こちらメールにあるリンクをクリックすると、先ほどのQRコード画面に飛ぶことができます。
持ち込み関税の手続き方法と関税額
IMEI登録ができ、QRコードが表示されたら、関税の支払いを行います。
手続き場所
持ち込み関税の支払いは、インドネシアに入国した空港の税関事務所で行います。
ここで注意していただきたいのは、最終目的地の空港ではなく、インドネシアに入国した空港です。
直行便やシンガポール、マレーシアといった第3国の空港を経由してバリ島に来た場合は、バリ島の国際線ターミナル内にある税関事務所。
預け荷物を受け取った後、荷物の検査をするエリアにある事務所で、X線検査をする所にいるスタッフに話せば案内してもらえます。
もし、空港の税関事務所で手続きするのを忘れてしまった、手続きできなかったという場合は、次の「手続きをしなかった場合」をご覧ください。
手続きに必要な物
関税支払いには、次のものを用意してください。
- IMEI登録をしたときサイトに表示されたQRコード
- パスポート
- 航空券(ボーディングパス)の控え(半券)
- スマホ本体
- スマホを購入したときの領収書(なくても可)
- NPWP(納税者番号)カード(なければ不要)
空港税関でネット接続ができない事がありますので、サイトに表示されたQRコードは必ずスクショしてスマホに保存しておきましょう。
手続き方法
税関事務所にてIMEI関税支払い手続きをします。
担当の係員に、必要書類とスマホ本体を渡し手続きをしてもらいます。
事前にきちんと登録がしてあり、QRコードが提示できれば、手続きは3分程度で終わります。
空港税関で手続きが終わると、登録してあるアドレスに以下のメールが届きます。
このメールを使って何かするわけではありませんが、登録証として保管しておくといいでしょう。
関税額の計算方法
計算式
税関商品価格(NP)=商品価格合計(ドル)ー$500(1名に付き$500免税されます)
輸入関税(BM)=NP×10%
輸入額(NI)=NP+BM
付加価値税(PPN/VAT)=NI×10%
所得税(PPH)=NI×10%もしくはNI×20%
所得税は、NPWPがある方はNI(輸入額)の10%、NPWPがない方はNI(輸入額)の20%になります。
支払い関税額=輸入関税(BM)+付加価値税(PPN)+所得税(PPH)
免税額の$500は一人当たりの免税額で1台ごとの免税額ではありません。
2台持ち込む場合でも$500しか免税されませんので、ご注意ください。
試算してみました
iPhone13(256GB)を日本で買って持ち込んだ時の関税金額を試算してみました。
iPhone13の価格は110,800円(Apple OnLine Store調べ)
1ドル=130円=Rp14.830で計算しています。
両替レートは日々変わりますので、持ち込み日によっては試算結果と違ってくることがあります。
商品本体価格=110,800円=$852
関税商品価格(NP)=$852-$500=$352=Rp5.220.160
輸入関税(BM)=NP×10%=Rp522.016
輸入額(NI)=NP+BM=Rp5.742.176
付加価値税(PPN)=NI×10%=Rp574.218
所得税(PPH)
NPWPがある場合=NI×10%=Rp574.218
NPWPがない場合=NI×20%=Rp1.148.436
支払い関税額=BM+PPN+PPH
NPWPがある場合=Rp522.016+Rp574.218+Rp574.218=Rp1.670.452
NPWPがない場合=Rp522.016+Rp574.218+Rp1.148.436=Rp2.244.670
関税の支払い方法
関税は、その場で現金で支払う事はできません。
税関で関税手続きをすると、A4サイズの支払い指示書が渡されます。
それを、銀行窓口やコンビニ(インドマレット)に持って行き、そこで支払います。
銀行口座がある人は、ATMやネットバンキング、モバイルバンキングで支払い可能。
また、BCAやBNIのデビットカードがあれば、税関事務所でも支払いができます。
最近はどこのお役所でも、現金受け取りせず、銀行窓口やネットバンク等での支払いになっています。
賄賂やちょろまかし防止なんでしょうね。
いつからスマホが使えるか?
関税の支払い手続きをしてから、早い時で2-3時間後、遅くても2日以内にインドネシアのSIMを使って通話やデーター通信ができるようになります。
免税額以下で関税の支払いがない場合は、空港税関で手続きをしてから早くて2-3時間後、遅くとも2日以内に使用可能となります。
手続きをしなかった場合
もし、空港の税関で手続きができなかった、忘れたという場合は、次の方法で関税手続きができます。
60日以内なら税関事務所で手続き可能
入国から60日以内なら、デンパサールにある税関事務所(KPPBC TMP A Denpasar)もしくは、ングラライ税関事務所(KPPBC TMP Ngurah Rai)にてIMEI登録と関税手続きができます。
デンパサール税関事務所(KPPBC TMP Denpasar)
住所:Jl. Tukad Badung, Renon, Denpasar Selatan, Kota Denpasar, Bali 80226 インドネシア
電話番号:0361-4723306
営業時間:07:30-17:00
休業日:土日・祝日
Web Site:http://bcdenpasar.beacukai.go.id/
ングラライ税関事務所(KPPBC TMP Ngurah Rai)
住所:Jl. Airport Ngurah Rai, Tuban, Kec. Kuta, Kabupaten Badung, Bali 80361 インドネシア
電話番号:0361-9351035
営業時間:07:30-17:00
休業日:土日・祝日
Web Site:http://bcdenpasar.beacukai.go.id/
手続きに必要な書類
必要なものは以下の通りです。
- IMEI登録をしたときサイトに表示されるQRコード
- パスポート
- 航空券(ボーディングパス)の控え(半券)
- スマホ本体
- スマホを購入したときの領収書(なくても可)
- NPWP(納税者番号)カード(なければ不要)
その場合の関税額
到着時に空港で手続きをしない場合は、$500の免税はありません。
以前は、入国後に空港外の税関事務所で手続きをしても$500の免税は受けられました。
しかし、2021年12月に税法改正があり、入国当日に空港税関で手続きを行えば免税措置を受けられますが、そうでないものは免税措置が受けられないとなったそうです。
先ほど行ったiPhone13 256GBを持ち込んだ場合の関税金額を試算してみます。
商品本体価格=110,800円=$852
関税商品価格(NP)=$852=Rp12.635.160
輸入関税(BM)=NP×10%=Rp1.263.516
輸入額(NI)=NP+BM=Rp13.898.676
付加価値税(PPN)=NI×10%=Rp1.389.868
所得税(PPH)
NPWPがある場合=NI×10%=Rp1.389.868
NPWPがない場合=NI×20%=Rp2.779.735
支払い関税額=BM+PPN+PPH
NPWPがある場合=Rp1.263.516+Rp1.389.868+Rp1.389.868=Rp4.043.252
NPWPがない場合=Rp1.263.516+Rp1.389.868+Rp2.779.735=Rp5.433.120
IMEI登録と持ち込み関税まとめ
日本など海外からインドネシアにスマホや携帯を持ち込み、現地SIMを使って通信する場合、入国前にIMEI登録と入国時に関税の支払いが必要です。
この手続きをしないと、通話や通信ができません。
IMEIとはスマホなどの機器に付けられた固体番号。
インドネシア通産省のサイトこの番号を登録すると、メールでQRコードが送られてきます。
そのQRコードや飛行機の搭乗券、パスポートなどを空港の税関に提出し、関税の支払いをします。
関税額は本体価格から$500を引いた金額の30~40%程度。
支払いは、銀行窓口やコンビニ(インドマレット)などで行い、支払い確認が取れた2時間~2日後から通信可能になります。
スマホ、携帯にインドネシアのSIMカードを入れて使う場合は、このIMEI登録と関税支払いをお忘れなく。
ちなみに、短期滞在の旅行者は、この手続きをしなくても現地SIMカードを入れて通信が可能です。
ただし有効期限は90日間で、90日を過ぎると通信ができなくなります。