バリ島での外国人就職状況について、元企業の採用担当者である筆者が解説をいたします。
バリ島での就活は日本国内とは違った状況であり、あてずっぽうに行ってもうまくいきません。
バリ島で地元企業に就職を希望される方は、最後までこの記事を読んで、就活を成功させましょう
バリ島・インドネシアでは外国人の個人事業はできないため、自身で起業をするか、地元の企業に就職が現実的な仕事をする方法です。
ところが、バリ島の就職事情についての情報はあまり多くありません。
あったとしても、雇用される側の情報ばかりで、採用側の情報はあまり出ていないのが現状。
そこで今回はバリ島の会社で10年以上採用担当をしてきた筆者が、採用側から見たバリ島の就職状況についてお話をします。
特に採用側の意見として、就職の条件や給与などに関する本音、そして企業が採用したい人などを解説していきます。
この記事を読んで頂ければ企業側が考える採用条件や理想がよくわかります。
企業側の採用に関する事情を理解いただければ、どうすれば採用してもらえるかもよくわかるでしょう。
そのことにより、希望する就職もでき、理想的なバリ島移住生活を送ることができるでしょう。
明るい移住生活のためにも、ぜひこの記事を参考に就活を成功させてください。
観光の島バリ島には日本人向けの仕事が沢山あります。
どんな仕事があるのか?以下の記事にまとめてありますので、ぜひご覧ください
>>バリ島日本人向け求人!おススメの仕事はコレ!
目次
バリ島での就職条件を
バリ島で外国人が働くには法律で決まっている規則があります。
この規則により、外国人の就職条件は以下のようになります。
- 新規採用者の最終学歴は大卒以上
- 新規採用者の年齢は28歳以上
- 採用年齢の上限は50歳程度
ここでは、この就職条件をより詳しく紹介していきます。
新規採用者の最終学歴は大卒以上
インドネシアでの外国人労働者にはより高い専門スキルや知識が求められています。
もともと、インドネシアは、外国人の持つ知識、スキルを現地インドネシア人に伝授することを目的に外国人労働者を認めていたので、高いスキル、知識を求めるのは当然でしょう。
就労ビザ取得希望の外国人が高いスキル、知識を持つことの証明の一つが学歴です。
法律では明確に学歴についての規定はありませんが、大卒以上の学歴を有さない方は就労ビザの取得が大変難しい状況です。
会社としても、就労ビザが下りない可能性のあるものを雇うわけにはいきませんので、大卒以上の学歴を条件としています。
新規採用者の年齢は28歳以上
就労ビザ取得希望者が高いスキル、知識を保有する証明として、実務経験も問われています。
マーケティング担当なら、営業部門の実務経験が、技術担当なら相当の技術部門の実務経験がなくては就労ビザは降りません。
その実務経験は5年以上と明確に決められているので、大卒者の場合、28歳以上でなければ実務経験5年のつじつまが合わなくなります。
このような理由から28歳以上の実務経験を条件にしています。
採用年齢の上限は50歳程度
また、外国人労働者の定年は明確な基準はないようですが、現実的に60歳以上はビザが降りないようです。
業務内容や会社の事情によって変わりますが、あまり高齢の方の採用は、ビザの面や給料等により会社としてはできるだけ避けたいというのが本音です。
そのことより、採用の上限を50歳程度(会社によっては40歳)にしているケースが多く見受けられます。
会社としては労働ビザが降りない人を雇うわけにはいかないので、確実にビザが降りる、大卒で28歳以上という条件を付けています
給料や待遇についての現状
バリ島での雇用条件や待遇について簡単に紹介していきます。
- バリ島での初任給は6百万ルピアから10百万ルピア
- 稼ぎたいのならジャカルタで就職した方が良い
- インドネシア人との兼ね合いもあり、あまり給料は上げられない
バリ島はジャカルタに比べ給料や待遇についてかなり低いレベルです。
その為、良い給料や待遇を求めるのなら、ジャカルタや日本企業の工場が多いブカシなどで就職先を見つける方がよいでしょう。
バリ島での初任給は6百万ルピアから10百万ルピア
現在のバリ島での新規採用者の給料の相場は、これくらいです。
6百万ルピアは日本円で約6万円、10百万ルピアは約10万円となります。
もちろん、過去に実績や経験があり、いきなり重要ポストにつけるのなら、もっと高い初任給という事もありますが、だいたい最初はこの程度と考えておいた方がいいでしょう。
では、このくらいの給料で生活できるのか?というと
「生活するには十分だが、贅沢はできないし、貯金もできない。」
といったレベルになります。
住居費(アパート代など)を払い、日々の食費や生活費だけで、給料はあらかた消えてしまいます。
服などの購入費や日本へ帰国する費用などをねん出するのは難しいかもしれません。
特に家族で移住される場合、パートナーの生活費や子供の教育費を考えたら、初任給だけではとてもやっていくことはできません。
数年は、日本から持ってきた貯金を食いつぶしていくことも覚悟しなくてはいけません。
稼ぎたいのならジャカルタで就職した方が良い
先日ジャカルタ在住の日本人と初任給の話をしました。
ジャカルタの日系企業では初任給は最低でも20百万ルピア(約20万円)だそうです。
バリ島の2~3倍ですね。
この給与格差は日本人だけではなく、インドネシア人も同様という事です。
インドネシア人でもバリ島の給料はジャカルタの1/2程度です。
もし、海外移住の条件(目標)に生活レベルの維持や向上があるのでしたら、迷わずジャカルタでの生活をお勧めします
インドネシア人との兼ね合いもありあまり給料は上げられない
ジャカルタとバリ島の給料格差がそれほどあるのなら、バリ島の給料をもっと上げたら、と思われるかもしれません。
しかし、そうもいかない事情があります。
一番大きな事情は、インドネシア人との給料格差です。
日本人の給料はインドネシア人に比べて3倍以上の開きがあります。
それは、日本人の方が求められる能力、スキルが高いからという理由です。
しかし、昨今インドネシア人の能力が上がってきています。
場合によっては新卒の日本人より能力が高いインドネシア人もいます。
そうなると、日本人だけ給料を上げて、インドネシア人は上げないというわけにはいきません。
インドネシア人も併せてあげると、会社の経営が難しくなってきます。
このような理由から、なかなか簡単に大幅な給料アップができない会社が多いという事です。
会社としては人件費は抑えたいのですが、インドネシア人の給料は年々上がって行ってます。そうなると日本人より優秀なインドネシア人をと考えてしまいます。
企業が求める人材は即戦力
バリ島の企業が外国人労働者に求めるのは即戦力となるスキルや知識、経験です。
すでに同様の業務をこなしていて、すぐに会社の役に立つ働きができる人なら、即採用です。
また海外で働くことは日本とは違う常識や考え方も必要。
そうなると、すでにバリ島での生活経験がある人の方が雇いやすいということもあります。
必要なスキルがある
その会社の仕事にあったスキル、経験は必要です。
よく、インドネシア語は必要ですか?という質問を受けますが、インドネシア語は暮らしていれば自然と覚えるので、それより英語スキルの方が重要です。
また、パソコンのスキル、例えばエクセルやワードが使えること、それとブログやTwitter,FaceBookなどSNSの投稿スキルは、最低限必要です。
また、社会人としてのマナーや常識は必ず身に着けてほしいものです。
そして一番重要なのがコミュニケーション力だと思います。
会社組織ですので、自分一人で仕事をするわけではありません。
現地スタッフ、外国人スタッフと協力して業務を進めていくコミュニケーションのスキルは重要です。
バリ島への対応力
一番困るのが、バリ島が初めての方、あるいは旅行で1回来たことがあるという方です。
実際にバリ島で生活してみると、旅行ではわからなかった嫌なことが見えてきます。
また、日本に比べ遅れている面が多々ある国ですから、日本のようにいかないことも多いです。
そんな時、ちゃんと対応ができる人でないと長期間滞在はできません。
採用したけど数か月で日本に帰ってしまった、なんてことだと求人側としても大変困ってしまいます。
何回もバリ島に来たことがあって、対応力がある人。
できれば、在住経験がある人がいたら、とても助かります。
滞在する意欲
何のためにバリ島で働くのか?
何のためにバリ島に滞在するのか?
その理由と、バリ島に滞在したいという意欲・モチベーションが大切です。
ただ単に日本にいたくない。バリ島に住んでみたい。
それだけでは、長続きしません。
バリ島に住みたいという強い意志と意欲がある人を求めます。
自分はサーフィンを極めたい!
と言った方がいました。
サーフィンを極めるのでしたら、会社などに就職しないで、半年間日本で働いてお金をためて、半年間バリ島でサーフィン漬けになってください。
片手間で仕事をされても困りますし、片手間で極められるほどサーフィンは浅いものではありませんよ。
バリ島だから、少々緩くてもいいやというのは昔の話です。今は日本と同様の能力が求められますから、そのつもりで就活をしてください。
企業が考える採用が難しい方
筆者がバリ島の企業で採用担当をしていた時に、ちょっと採用が難しいなと考える条件を紹介します。
書類検討や面談で、このような方は不採用となるケースが多かったです。
- 採用条件に合わない方
- バリ島が全く初めての方
- 確固たる目的がない方
採用条件に合わない方
最終学歴と年齢の条件に合わない方の採用はまず無理と考えていただきたいです。
就労ビザが下りないとバリ島で働くことはできません。
また、ビザの申請にはいようと時間がかかります。
会社としても、ビザが下りるかどうかわからない方を採用するリスクはなるべく避けたいと考えます。
バリ島が全く初めての方
バリ島だけでなく、海外は日本と常識や習慣が全く違います。
もちろん、気候や住環境も違います。
バリ島に来てみたら、思っていたことと違うという事もあります。
また、日本で日本人を採用するのとは違い、バリ島で外国人を採用するには、多くの手続きや費用が掛かります。
手間と費用をかけてせっかく採用したのに、働きだして数週間で日本に帰りたいと言われても、会社としても大変困ることです。
バリ島の滞在経験のない方、極端に少ない方はちょっと採用は難しいと考えます。
確固たる目的のない方
バリ島に限らず海外に移住するという事は多くの困難やトラブルに見舞われます。
最終的にそれら困難やトラブルをはねのけて 長期滞在できるのは、バリ島に住む為の確固たる信念、目的を持った方です。
別に目的はないけど、なんとなくバリ島に住みたい。
バリ島でなくてもいいんだけど・・・
という方は、トラブルにあった時、日本に帰る、他の国に行くという選択肢の優先順位が上がってきてしまいます。
目的や信念をしっかり持たない方の就職はちょっと難しいです。
バリ島に限らず海外で生活するには、強い思いが無いと難しいです。スキルや経験も必要ですが、バリ島で生活したいという信念が無いと、すぐに帰国してしまうので、こちらも採用できないですね。
元採用担当者が考えるバリ島就職事情まとめ
労働ビザ取得のためにも以下の条件は必須
- 大卒以上の学歴
- 5年以上の実務経験
- 28歳以上の年齢
バリ島での初任給は6百万ルピア(約5万円)~1千万ルピア(約8万円)程度。
生活はできるが貯金とかは難しいレベル。
がっつり稼ぎたいのならジャカルタ、スラバヤといった大都市に行った方が良い。
企業として求められる人材はスキル、経験が十分にある即戦力。
そして異国の地で生活ができる柔軟性を持った人。
国内での就職活動より難しい事もあります。
バリ島で暮らすなんて、おしゃれじゃない?
ちょっと海外移住経してみたいね。
なんて甘い考えで移住しても長続きはしません。
バリ島に住む目的、信念が無いと就活もうまくいきません。