この記事では老後バリ島にリタイアメント移住をされた方のバリ島での一般的な生活費について紹介しております。
仕事をリタイアし老後にバリ島で生活をする場合、主な収入は年金と貯金。
支出をしっかりと管理しないと、すぐに資金不足なりますので、リタイア移住を考えられている方は、記事を参考にしっかりと生活設計をしてから移住を検討してください。
バリ島など東南アジアの生活物価は日本に比べ低いと考えられています。
老後生活を日本で送るには年金と貯蓄だけでは難しいので、リタイア後、物価の安い東南アジアに移住しようと考える人が少なくありません。
しかし、バリ島での生活費、思ったほど安いわけではありません。
では、実際バリ島で暮らすにはいくらぐらいかかるのか?
今回は筆者の経験を基に、男性がバリ島で老後生活を送る場合の生活費を紹介します。
また、最後にどのような生活をしたら生活を抑えられるかという、生活の知恵のようなものも紹介します。
この記事を読むことにより、リタイア移住をした日本人男性の一般的な老後の生活費が判ると思います。
年金や貯金といった限りある資金を無駄なく有効に使い、快適な老後生活をバリ島で送るには、しっかりした生活設計が必要。
この記事を参考に、バリ島での生活設計をまずは考えてみてください。
そうすれば、快適な老後生活を送ることができるでしょう。
目次
平均的な老後生活費
私が15年以上バリ島で暮らしてきて感じた、リタイア移住した日本人男性の平均的な毎月の生活費についてご紹介します。
この例は、独身・酒たばこやらない・還暦過ぎの男性である私の例ですので、各自、自分のパターンに当てはめて、若干修正してお考え下さい。
なお、わかりやすくするために金額は日本円で表示しております。
1円=Rp100くらいで考えておいてください。
項目 | 概略の金額 | 備考 |
家賃 | 40,000円 | 年間一括480,000円 |
食費 | 35,000円 | 外食+自炊 |
光熱費 | 5,000円 | 電気代 |
ネット・通信費 | 5,000円 | 携帯+光ネット |
交通費 | 3,000円 | ガソリン代(バイク) |
遊興費 | 12,000円 | |
合計 | 100,000円 |
家賃
家賃はどこにどんな家をどのくらいの期間借りるかで変わってきます。
以下は、家のランク別のおよその家賃になります。
- 一戸建てのヴィラ(プール付き) 8万円/月~
- 一戸建てヴィラ(プールなし) 6万円/月~
- 貸し部屋 5万円/月~
- 外国人向けアパート 3.5万円/月~
- ローカル向けアパート(バストイレ付) 8千円/月~
- ローカル向けアパート(バストイレ共同) 4千円/月~
料金は、立地や築年数、広さによりかなり変わってきますが、平均的な金額を載せました。
外国人向けアパート以上は室内にキッチンがありますが、ローカル向けアパートにはキッチンはないと考えた方がいいでしょう。
リタイアメントビザで滞在する場合、US$500以上の賃貸物件を契約しなくてはいけません。
US$500というと、約75,000円。
一戸建てのヴィラを借りることになりますね。
バリ島での家賃など住宅事情については以下の記事で詳しく説明しております。
バリ島賃借物件事情
食費
食費は、外食するか、自炊するかで大きく変わってきます。
また外食も、ローカルワルンかレストランかでも変わってきます。
筆者の場合は、
- 朝食はパサールで買ってきたナシブンクス(お弁当)
- 昼食は近所のワルン・一食200円程度
- 夕食は自炊が基本で、たまに友人と外食
といった内容です。
バリ島の食生活については以下の記事が詳しいので参考にしてください
バリ島移住の食事は自炊がベスト
光熱費
光熱費は電気代になります。
家によっては家賃に電気代が含まれているところもあります。
私は、ウブドに住んでいるので、クーラーはありませんが、南部エリアに住む場合、クーラーは必需品。
クーラーがあると、電気代も倍以上かかる事があります。
バリ島は暖かいので、暖房費は全くかからないのが助かりますね。
水道は井戸ですので、ポンプの電気代しかかかりません。
ネット・通信費
私は、ブログやYoutubeをやっているので、高速のネット回線は必需品です。
また、外出中スマホでLINEをしたり、ネットで調べ物もします。
自宅のネット回線はBizNetの光回線を使っています。
その費用は月3,000円程度(ネットし放題です)
スマホはIndosatの3Mを使っていて、ネット代と電話代で月2,000円使います。
人によっては、自宅のネット回線は不要、スマホの通話料もかからないといった方もいるかと思います。
バリ島でのインターネット環境については以下の記事で詳しく解説しています。
バリ島ネット環境構築方法
交通費
交通費ですが、Yamaha V-Xionというバイクを買ったので、交通費はガソリン代だけです。
よくクタなどに遊びに行くので、ガソリンは月に3,000円程度となります。
ちなみにバリ島のガソリン代は1リッター100円程度です。
これは補助金付きのガソリンで、補助金が付かないものはリッター140円です。
もし、バイクを買わずにレンタルバイクで過ごすという事でしたら、レンタル代は月に6,000~10,000円かかります。
レンタルにするか、購入するか悩むと思いますが、長期滞在されるのなら、バイクは新車を購入された方がいいと思います。
バリ島でのバイクの購入方法などは以下の記事が詳しいです。
バリ島でバイク(新車・中古車)を購入する方法
また、デンパサールやクタに行く際はトランスメトロデワタという公営バスを使います。
このバスは1区間Rp4,400(約42円)
ウブドからクタまで往復でRp17,600になります。
遊興費
遊興費に関しては、人それぞれになると思います。
私は、時々街マッサージに行く費用と、Youtubeの取材のためにクタなどのホテルに泊まる費用を計上しました。
幸い(?)お酒は飲まないので、友人と飲みに行くといった出費はありません。
しかし、お酒好きな方は、その費用がかなり掛かると思います。
もちろん、クラブや夜遊びが好きな方はもっとかかるでしょう。
トータル生活費
トータルの生活費ですが、月に10万円程度です。
ただし、家のレベル、食事の種類、バイクに乗る・乗らない、お酒やたばこをたしなむ・・・
と、各人の条件によってかなり違いが出ますので、自分の条件に当てはめて考えてみてください。
特にリタイアメント生活の方は家賃が結構高くなるので、その分生活帆を切り詰めるか、資金に余裕を見てください。
生活費以外にかかる費用
バリ島での生活費はざっくりと言って8万円程度と説明しました。
しかし、バリ島で生活するには生活費以外のお金もかかります。
ここでは、その生活以外にかかるお金について説明します。
ビザ代
外国人がバリ島で生活するにはビザ代がかかります。
そのビザ代ですが、どんなビザで滞在するかによって変わってきます。
取得するビザごとの費用を計算してみましょう。
B211Aビザ
B211Aは、半年ごとに取得しなくてはいけません。
取得するには、いったん海外に出る必要があり、そのための費用も要検討。
また、取得後60日を過ぎたら延長の費用も掛かります。
1回延長すると60日滞在期間が延び、2回まで延長ができます。
項目 | 金額 | 備考 |
新規取得費用 | 45,000円 | エージェント手数料、スポンサー代含む |
シンガポール渡航費 | 30,000円 | 飛行機代+滞在費 |
延長代 | 60,000円 | 2回分 |
合計 | 135,000円 |
合計で135,000円かかりますが、これで半年滞在ですので、月単位に割り算すると22,500円となります。
ソシアルビザなど短期滞在ビザ取得については以下の記事に詳しくまとめてあります。
バリ島短期滞在ビザ取得・延長方法
ワーキングビザ(含むKITAS)
バリ島で働く場合は就労許可とワーキングビザ及びKITASが必要です。
就労許可+ワーキングビザ+KITAS取得で1年滞在でき、さらに延長手続きを取ると最長5年滞在できます。
とりあえず、最長の5年分を計算し、これを1月当たりに割り算してみます。
項目 | 金額 | 備考 |
新規取得費用 | 150,000円 | |
延長代 | 360,000円 | 1年延長×4年分 |
DPK-TKA | 900,000円 | $1,200×5年分 |
合計 | 1,410,000円 |
DPK-TKAとは、外国人雇用補償金で外国人を1人雇用すると毎年$1200支払います。
トータルで1,410,000円ですが、5年分ですので、月単位に割り算すると23,500円となります。
ただし、ほとんどの会社は従業員のビザ代は会社持ちですので、あなたが支払う事はないと思います。
ワーキングビザの取得方法や費用内訳などは以下の記事で解説しています。
バリ島就労ビザ、なぜ取得に時間がかかるのか?
リタイアメントビザ(含むKITAS)
リタイアメントビザは60歳から取得できるビザです。
バリ島で老後生活を送るには、このリタイアメントビザとKITASを取得します。
リタイアメントビザでは仕事はできませんので就労許可は取る必要はありません。(取れません)
また、婚姻ビザもほぼ同じ金額かかるようです。
項目 | 金額 | 備考 |
新規取得費用 | 150,000円 | |
延長代 | 360,000円 | 1年ごと4回 |
合計 | 510,000円 |
ビザ取得の費用はワーキングビザと変わりませんが、DPK-TKAの支払いはないので、その分安くなります。
トータルで510,000円で5年間滞在できますので、月単位に割り算すると8,500円となります。
ビザ代のまとめ
ワーキングビザの場合DPK-TKAがあるので、どうしても高額になりますが、基本的に会社が払ってくれるので、個人で支払うことはないでしょう。
長期滞在ビザが取れない場合はB211Aビザになりますが、海外渡航費などを考えると、毎月2万円以上の出費となります。
結構つらい出費となりますので、できるだけワーキングビザやリタイアメントビザを取るようにしたいものです。
医療費
医療費ですが、病気、怪我の程度やローカル病院にかかるのか、インターナショナル病院にかかるのかによって、かなり違ってきます。
ここでは、ローカル、インターナショナル病院別の医療費について計算してみます。
ローカル病院にかかる場合
- 腹痛・風邪などの簡単な病気:3,000円程度
- デング熱など入院が必要な病気:5~10万円
- 打撲、切り傷など軽いけが:3,000円程度
- 骨折など重症の怪我:20万円~100万円
インターナショナル病院にかかる場合
- 腹痛・風邪などの簡単な病気:10,000円程度
- デング熱など入院が必要な病気:10~100万円
- 打撲、切り傷など軽いけが:10,000円程度
- 骨折など重症の怪我:50万円~
医療費のまとめ
インターナショナル病院に比べローカルの方が安上がりですが、医療レベルや病室などを考えるとやはりインターナショナル病院にかかりたいもの。
バリ島でインターナショナル病院にかかると、医療費は高額になります。
滞在期間にかかわらず、何らかの医療保険には入っておく必要があります。
バリ島での医療費や医療保険の詳細は以下の記事に詳しくまとめてあります
バリ島移住、安心して暮らすには医療保険加入がおすすめ
生活費以外の費用まとめ
生活費以外の費用として、ビザ代と医療費が主なものになります。
ビザ代は外国人がバリ島に滞在するために必ず必要なお金ですので、税金のようなものと考えて、毎月の生活費に繰り入れておきましょう。
医療費は高額になりますので、医療保険を検討してください。
子供の教育費
私には子供がいないので(奥さんもいませんが)、教育費はかかりませんが、周りの友人に話を聞くとかなり大変なようです。
両親のどちらかが、インドネシア人であるなら子供は公立の学校に入れるので、基本的に学費は無料。
ただし、制服代や教科書や教材費用、遠足などのイベント費用、塾代、先生への心づけ(?)などが別にかかるそうです。
両親とも外国人だった場合は原則・公立学校には入れません。
(在住者の中には両親とも日本人でも公立学校に通っている方もいますが、理由はわかりません)
そのため、私立の学校やインターナショナルスクールに通わせるのですが、学費が日本より高くなります。
日本と教育費の違いをまとめてみました。
学校 | 日本 | バリ島 | 備考 |
幼稚園 | 23万円/年 | 30-50万円/年 | 3年保育 |
小学校 | 32万円/年 | 50-200万円/年 | 6年通学 |
中学校 | 30万円/年 | 50-200万円/年 | 3年通学 |
教育費には、学費の他に塾代や教材費なども含まれています。
日本の学費は以下のサイトを参考にしました。
教育費にかかる費用(ノムコムby野村不動産)
バリ島の場合、インターナショナルスクールの場合を検討してみました。
安くても年間50万円、そして有名なグリーンスクールは年間200万円かかるそうです。
また、インターナショナルスクールの授業費は年々値上がりしているという事ですので、かなりの負担になると思います。
私の友人が息子さんを幼稚園に入れる際に、学費などの面でいろいろ苦労したそうです。
その時、ウブド周辺の幼稚園を何件か回り、学費などについてまとめた記事がありますので、参考にしていただけたいいかなと思います。
バリ島の教育ってどうなの?ウブドの学校を比較してみた!<幼稚園編>
リタイアメントビザを取ってバリ島で老後生活をしようという方は、お子様の教育については考える必要はないかと思います。
が、もしお子さんも一緒にバリ島に移住する場合、お子さんの教育費は日本に比べかなり大きくなることをしっかりと考えておいてください。
日本並みの生活をするには日本以上のお金がかかる
バリ島は物価が安いから日本以上の生活ができるのでは?
そう考える方が多いかと思いますが、実際は日本並みの生活をするには日本以上にお金がかかります。
その理由ですが、生活物価が安いのはローカルの生活レベルが低いからなどです。
ローカルワルンは安いがレベルは低い
確かにローカルワルンに行けば1食100円程度でご飯が食べられます。
しかし、ローカルの食事なので味も衛生面もサービスも日本と全く違います。
材料も、もしかしたら農薬まみれの輸入品という事も考えられます。
日本並みの食事をしたかったら、ワルンでなくレストランに行かなくてはいけません。
バリ島にはレストランも沢山ありますが、レストランはそれなりのお値段となってしまいます。
電気製品は安かろう悪かろう
また、電化製品について考えてみましょう。
電化製品ですが、感覚的に日本で買うより30%以上安いと思います。
しかし、性能が低かったり、品質が悪かったり、寿命が短かったり・・・
安かろう、悪かろうの世界です。
日本並みの製品を買おうと思ったら、日本から輸入しなくてはいけません。
もちろん、輸入税や送料がかかるので日本で買うより高くなります。
住宅も安いけれどメンテナンスにお金がかかる
住宅費、確かに安いです。
日本では考えられないような豪華で広い家に住めるでしょう。
しかし、雨漏りや虫の侵入などのトラブル沢山あります。
メンテナンス費など考えたら、日本以上のお金がかかるかもしれませんね。
土地だって、永久に使えるわけではありませんから。
日本並みの生活にはお金がかかる
結局、バリ島は物価が安いのですが、安いなりに生活レベルは低くなります。
日本より良い暮らしをしようとしたら、資材、サービスを日本などから輸入しなくてはいけないので、結局日本よりお金がかかってしまいます。
バリ島で快適に老後を送るにはメリハリをつけた生活費設計が必要
バリ島の生活物価は確かに日本に比べ安いです。
ただし、物価は安いが生活レベルも日本に比べ低くなります。
では、生活レベルをあまり落とさず、物価が安いバリ島で生活するにはどうしたらいいのでしょうか?
その答えは、譲れるところは譲るという考え方を持つことです。
例えば食費
- 毎日の食事は地元の材料での自炊
- 平日のお昼は近くのワルンで安く上げる
- たまにはレストランでおいしい日本食などを楽しむ
電化製品などの工業製品
- 電球やコンセントなど一般商品はローカルの商品を使う
- カメラ、パソコンなど高性能商品は日本から持ってくる
- 衣類は日本から持ってくる
と、このように普段はローカル商品を使うが、必要な時は高額の輸入品などを使う、と状況によって使い分ける必要があるのです。
また、絶対に譲れない所は譲らないという考え方も必要です。
私の場合、ブログやYoutubeは収入の一部ですので、ネット環境やカメラ、パソコンはなるべくお金をかけるようにしています。
このように、締める所は締めて、使う所は使うというメリハリのある生活費設計により、ストレスなく快適な生活が実現することができます。
今回は、バリ島移住での一か月間の生活費についてご案内してきましたが、結論として言いたいことは
バリ島で快適な生活を送るには、譲るところは譲るメリハリのある生活費設計が必要
という事です。
また、収入と支出のバランスもとらなくてはいけませんので、生活レベルを上げるにはそれに見合った収入アップもしていくことをお忘れなく。
関連記事
生活費のことが分かったら、今度は退職金で移住できるのか考えてみましょう。以下の記事ではサラリーマンが定年退職して移住をした場合をシュミレーションしてみました
バリ島移住老後の生活費のまとめ
この記事では、筆者の経験をもとに、バリ島で老後生活を送るには一般的にどのくらいの生活費がかかるかを紹介しました。
毎月の生活費は家賃を含めおよそ10万円程度でしょう。
生活費以外にかかる費用として、ビザ(KITAS) だと医療費があります。
ビザ代は平均して年に10万円程度かかります。
また、医療費はかかる病院や病状、ケガの状況によってかかり開きはありますが、医療保険は必要でしょう。
医療保険費として年間5-10万円程度は必要かと思います。
老後生活は基本的に収入は年金と貯金、資産運用が主です。
少ない資産で快適な老後生活を送るには、生活設計が大切です。
老後の収入が上がっていくことはあまりないかと思いますが、逆に生活費やビザ代は年々上がっています。
また、一時帰国費用や突発的な出費もあります。
ギリギリの生活設計をするのではなく、将来のことも考え、余裕のある生活設計をするのが、快適な老後生活を送る秘訣かと思います。
しっかりと検討して、バリ島移住を計画してください。