この記事はインドネシアの投資家ビザ(Investoe VISA) について解説した記事です。
投資家ビザとは簡単にいうと会社経営者のためのビザ。バリ島での起業を検討している方は、このビザについての理解を深めてください。
インドネシアの投資家ビザとは、インドネシア籍の企業に一定以上の投資をした外国人に与えられるビザです。
当初は、投資家のみに与えられるビザでしたが2019年の法改正により、Director(取締役)やCommissary(監査役)でもこのビザが取得できるようになりました。
これにより、バリ島内で起業をし会社経営をされる方は、この投資家ビザを取得することなっております。
今回はこの投資家ビザについて取得するための条件や取得したらできることなどを解説していきます。
日本に比べ経済発展が著しいインドネシア。
バリ島でもビジネスチャンスは沢山あると言われています。
バリ島で起業し、会社を持ちたいと考えている方、ぜひこの記事を読み、会社経営者に必要な投資家ビザについての知識を深めてください。
資金は必要ですが、バリ島でのビジネスチャンスを掴み、夢をかなえてみようじゃありませんか。
参考記事
今回の記事執筆において、以下のサイトを参考にさせて頂きました。
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今回は投資家ビザについて解説していますが、その他のビザについては以下の記事で詳しく解説しております。
その他のビザで移住、長期滞在を検討されている方はぜひご一読ください。
目次
投資家ビザとは
投資家ビザ(Investor VISA)とは、インドネシアの会社に一定額以上の投資をした外国人に与えられる長期滞在用のビザです。
投資家ビザは有効期間により2種類あります
投資家ビザにはC-313とC-314の2種類があります。
C-313ビザは1年間有効、4回の延長申請が可能で合計5年間滞在可能。
C-314は2年間有効で、1回延長し4年経過したらKITAP取得が可能。
また、C-313ビザは昔はオーナービザと呼ばれていたようですが、現在は1年有効の投資家ビザとなっております。
投資家ビザと就労ビザの違い
就労ビザ(ワーキングビザ)は、会社に雇用される外国人労働者向けのビザになります。
一方投資家ビザは会社に投資をした、経営者、株主向けのビザです。
その為、投資家ビザを取得する場合、就労ビザのように、労働省へのRPTKAの申請・承認やDPK-TKA($1200)の支払いは必要ありません。
また、学歴やスキルを証明する書類などの提出も不要となっております。
投資家ビザはなぜ優遇されているか
投資家ビザは企業に投資さえすれば、取得できるビザです。
取得条件や取得により得られる権利などかなり優遇されています。
これは、インドネシアの国策として国内企業への海外からの投資を増やし、国内産業を延ばしたいという思惑があるそうです。
その為、投資をしてくれた外国人に長期滞在ビザ、KITAS、KITAPを与えるという優遇をしているんですね。
投資家ビザを取得するためには
投資家ビザを取得するには、PMAと言われる外資企業に一定額以上の投資をする事です。
投資先は総資本100億ルピア以上の外資企業
投資先はPMAと呼ばれる外資企業(株式会社)です。
PMAは、外国資本が入った企業で総資本額は100億ルピア(約8千万円)以上。
この総資本には会社が使用する土地や建物は含まれていません。
ただし、国内には総資本が100億ルピア以下のPMAもあります。
それは法改正される前に作られた外資会社です。
外国人が投資・資本参加ができる会社はPMA(外資企業)だけであり、インドネシア人だけの資本で作られたローカルPT(現地株式会社)やCV(有限会社)には、投資ができません。
ローカルPTに外国人が投資した場合、その会社はPMA(外資会社)となり、総資本100億ルピアまで増資をしなくてはなりません。
バリ島の友人の会社に投資をした、と言われている方がおりますが、よくよく調べてみると投資ではなく、個人的にお金を貸した、補助したという事で、法的には資本提供になっていない事もあります。
投資家ビザを取得するには10億ルピア以上の投資が必要
PMAへの投資ですが、10億ルピア(約800万円)以上の投資が必要です。
ただし、10億ルピアの投資は役員・取締役の場合であり、株主の場合は12.5億ルピア(約1千万円)以上の投資が必要です。
資料を見ると、PMAへの株式投資は1千万ルピア(約8万円)からできるそうですが、10億ルピア以上でないと投資家ビザは出ないようです。
自ら作った会社経営も可能
以前は、投資家にしか与えられない投資家ビザでした。
しかし、法改正により取締役や監査役にもこの投資家ビザが与えられるようになりました。
このことにより、自ら会社を立ち上げ、その会社を経営する起業家もこのビザを取得するようになったのです。
バリ島に移住し、ビジネスを興したいという方は会社を設立し、この投資家ビザを取得してください。
投資家ビザでできる事、できない事
投資家ビザを取得したら、何でもできるといったわけではありません。
投資家ビザでできる事、できない事を紹介します。
投資家ビザでできる事
KITAS取得
ビザを取得し、インドネシアに入国したら入国管理事務所にてKITAS取得ができます。
KITASを取ると、以下の事が可能になります。
- インドネシア国内の長期滞在
- バイク、車の免許取得
- 銀行口座の開設
- 土地の購入と使用権の取得
KITAPの取得
KITASで4年間滞在したら、KITAP(永住権)が取得できます。
KITAPは常時居住許可で、投資した企業が存続する間は、インドネシア国内に居住、滞在ができます。
投資先企業への経営参画
これは投資先企業との調整が必要ですが、投資先の取締役として経営参画ができます。
このことにより、担当執行役員として起業や事業展開が可能になります。
また、自ら会社を興し、そこの取締役となることも可能です。
投資家ビザでできない事
取締役にならなければ仕事はできない
投資をするだけなら、株主という立場になります。
単なる株主では、会社の事業経営への参画はできません。
株主会議には出席できますが、仕事はできません。
仕事をするのであれば、取締役になるようにしましょう。
取締役になっても実務はできない
投資先の企業と調整し、取締役として経営に参画できたとしても、実務(現場での仕事)はできません。
レストランのコック、ウェイトレス、キャッシャーなどの実務仕事はインドネシア人を雇ってやらせなくてはいけません。
あるいは投資家ビザではなく、就労ビザを取って、マネージャーやアドバイザーとして現場の監督や教育を担当することになります。
もし、投資先企業でレストラン担当執行役員になったとしても、オーナーはできますが、店長にはなれないという事です。
投資家ビザ取得の注意点
投資家ビザ取得には企業への投資が必要です。
しかも10億ルピア以上の多額投資が必要ですので、十分注意をしましょう
投資家ビザで起業するには取締役就任が必要
投資しただけでは株主ですので、投資家ビザは与えられますが、投資先の企業経営には参画できません。
ですので、投資家ビザを取得し、レストラン経営やホテル経営などを考えているのでしたら、取締役就任が必要です。
もし、起業、事業展開を目的に投資するのでしたら、投資先企業の取締役になれるのか、しっかりと確認をしておきましょう。
投資家ビザ支給を条件に投資を募る会社もある
企業が投資を募るのは問題ではありませんが、投資する場合は、しっかりと投資先の経営状況を確認しておきましょう。
経営が危うい会社が資金調達の方法として、投資家ビザと交換に投資を募る事も考えられます。
ビザ取得に気を取られ、正しい投資判断ができないと大変です。
しっかりとした判断をしてください。
投資家ビザのまとめ
今回は、投資家ビザの解説をしました。
投資家ビザは投資さえすれば長期滞在ビザが取得できるということで、最近人気が上がってきたビザです。
既存企業への投資も可能ですが、法改正により自ら立ち上げた会社経営のためでもこの投資家ビザは取得できることになっております。
ですので、バリ島に移住しビジネスをやりたいという方にはこの投資家ビザの取得をおススメしています。
ただし、投資家ビザで出来る事は会社経営。
現場に出て、直接作業をするのには、就労許可が必要。
会社経営において、ついつい現場で手を出してしまう方もいますが、一歩間違えれば違法就労になりますので注意してください。
また外国人の資本で起こせる会社にはいろいろ制限もありますので、プロのコンサルタントと相談しながら立ち上げていくようにしてください。